日本財団 図書館


 

に近づけると共に、電圧を任意に制御できる方法として正弦波パルス幅変調(PWM)法があり、広く採用されている。
この正弦波PWM法では図7・40に示されるように不等間隔、不等パルス幅から成る多重パルス波形の制御信号を形成し、電圧及び周波数の所要値に応じてパルス幅とパルス間隔を変化させる。
この不等パルス幅PWM制御法は応答性がよく、かつ、インバータ効率が高く、結線方式を適当に選べば変圧器の如き昇圧装置を用いないでも、一次交流電源電圧とほぼ等しい出力電圧が得られる。

 

140-1.gif

図7・40不等パルス幅PWM制御波形

 

(d)マイコンによる制御処理
インバータの制御には多様の処理機能と迅速な処理能力が要求されるので、制御用マイコンが組込み使用される傾向にある。マイコンに通常要求される機能は、
(i)始動、停止シーケンス
(i)インバータ保護及び電動機保護シーケンス
(iii)出力波形処理(例えば正弦波PWM)
(iV)制御用演算処理
(V)制御用定数設定
等で、これらの内(iii)は処理時間の関係上、専用のワンチップマイコンであるLSIで処理する場合が多い。
(e)トランジスタインバータの主回路
3相交流電源に接続して使用される通常のインバータでは、コンバータ部にダイオードを使用し、インバータ部は整流素子にパワートランジスタを用い、正弦波PWMインバータを構成しているのが一般的である。その主回路は図Hに示される。
パワートランジスタはPWM制御されたべース信号により主電流をON−OFFして電圧と周波数が任意に制御される。トランジスタに並列に接続されたダイオードは無効電流を処理するための帰還ダイオードである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION